赤字にしかならないAKB48劇場
握手会、総選挙、ドームツアー、じゃんけん大会・・・数々のメディアに取り上げられてきたAKBビジネス。
このプロジェクトに関わった人(電通?)は多くの利益を得たことだろう。
しかしながら、原点と言われている劇場公演はほぼ毎日行われて、やればやるほど赤字を垂れ流すという。
ビジネスの世界において、そんなものなくしてしまえばよいのではないだろうか。
半沢直樹の世界なら真っ先に辞めさせられているのではないか。
それをわざわざ原点として一番大切にしていく意味はあるのだろうか。
本当に赤字になるのだろうか
いったことがある劇場はNMB劇場のみだが、今回はAKBのことに絞って考えてみるとする。
AKB劇場のキャパは250
チケットが3000円
1回の公演あたり75万円の売上
メンバー1人あたりの1公演で支払われるギャラは、5000円といわれている。(選抜メンバーとその他メンバーでの違いはあるのやらないのやら)
16人でるので、8万円の支出
スタッフへの日当、衣装代、光熱費、施設運営費など考えていっても、75万では少ない気もしてくる。
さらに考えなければいけないのは、秋葉原駅前という立地。
あそこに入るのにいくら必要だったのだろうか。
そして、その公演に出るまでのメンバーたちにかかるレッスン費。
AKBはレッスン費用をメンバーたちが支払わなくてよいことで有名である。
そんなことを考えていくと、公演はすればするほど儲かるものではないことが明らかだということがわかる。
赤字ではなく、純利益がもし出ていたとしても微々たるものであろう。
劇場を原点、大切にする理由は
では、どうして劇場公演を自分たちの原点として、毎日ここで歌っていると大切にしているのだろうか?
問題点を考える上で、乃木坂を例にとるのもいいだろう。
握手会もやっていて、総選挙ではないが毎回順位が問われているアイドル、姉妹グループに似たライバルグループが乃木坂46がある。
売り方はほとんど同じだ。しかし、戻るべき場所、劇場公演というものがない。
そのあたりを考慮してくと、AKB48が劇場公演で得ているプラス要素が透けて見えてくる。
- フロントメンバー以外が表に出る機会がない
一番の問題がここにあるだろう。
劇場での公演があることで、選抜でシングルを歌っているメンバーをみる機会ができる。
あ、あの子いいなー、どんな子なんだろうと調べるのはよくあること。
劇場公演が、研究生たちや有名でないメンバーがファンの前に出てこれる、知ってもらえる唯一のチャンスなのだ。
- コンサートとは違った距離感
劇場公演はコンサートとは違うんだ。そういう人が多い。
それは距離感にあるだろう。250の箱ということは本当に近くて、メンバーがお客さんひとりひとりの顔を認識することができる。
”認知”を受けているファンであれば、推しメンからレス(アイコンタクトのようなもの)をもらえたり、ということで一番公演が好きだ、握手会もいいけど公演にいきたい、そういうファンはかなり多い。
この距離感は、メンバーたちにも同じようだ。
生誕祭で柏木由紀が語ったことだが、劇場で公演をしていると帰ってきたなと感じるのはこの辺りにあるのだろう。
- AKB48がAKB48であることの証明
AKBが売れてきて以来、たくさんのアイドルが生まれてきた。
どれも似たりよったりで、違いがわからないという人も多いだろう。
その中でも一線を画している理由がこの劇場にあるのだろう。
秋葉原にきたから、AKB劇場によっていこう。
栄にきたから難波にきたから博多にきたから、そんな理由で写真だけとっていく人もいるだろう。
世間にトップアイドルグループとして認識されている、そして、それがそこにある、存在している、ということが他とは違う理由になっているのだろう。
赤字でもAKB劇場が残り続けているのはこのあたりだろう。
個人的には一番最後の部分が大きいと思っている。
AKBがAKBたる理由が劇場にはある。
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