「2020年東京オリンピック・パラリンピック」をテーマに、物語を考えてください。 15卒電通ESを公開
ブログの一つ一つの記事で、就職活動を振り返ってみると、色んな思い出があります。
それぞれのフェーズで色んなことを考えました。
内定先の企業の最終面接、役員の方と、あと何回親に会えるだろうか、そんな両親にどれだけの恩返しができるのか考えたことあるかと聞かれたことがありました。
そのときに思い出したのが、このエントリーシート。
当初の第一志望、電通が課したエントリーシートの一つにこのような問がありました。
「2020年東京オリンピック・パラリンピック」をテーマに、物語を考えてください。800 文字以内
少し恥ずかしいですが、そのときの自分が真剣に考えたものです。
自分なりに、気に入っていて、ずっと誰かに見て欲しいと思っていたので、公開しようと思います。
東京へ向かう新幹線の中、お父さんは、トイレだ、煙草だと落ち着きが無い。
私は年に一回、息子の住むマンションにきているので5回目だけど、お父さんは引越し以来だから、緊張しているのだろう。
明日には、仙台で小学校の先生をしている妹の美希も休みをとってやってくる。
東北もすっかり復興して、小学校は以前よりもたくさんの生徒がいて、中々休みも取れないながらも、開会式に着ていくお洋服を一緒に選ぼうね、ランチはあそこね、と美希も張り切っている。
大阪から2時間の道のりも、外の景色を眺めているとあっという間だ。品川駅に着くと、息子が改札まで迎えにきてくれている。
はじめての一人暮らしに期待と不安の混じった顔をしていた頃とは大違いで、すっかりスーツの似合う社会人になった。
「お父さんと二人で温泉に行ってきなよ」という息子に”家族みんなでオリンピックの開会式が見たい。”と、初めてわがままを言った。
開会式のチケットは中々手に入らず、プレミアもついているらしい。それでも文句のひとつも言わず、しっかり手配してくれて、みんなを招待してくれた。親孝行な息子に育ってくれて誇らしい。
5年前に訪れたときより新しい建物も増え、景気も五輪効果で、少しずつ良くなってきている。
世界中から集まる人たちでホテルは予約でいっぱい。
私たちは息子の部屋にお世話になる。日本中が大騒ぎで、お昼のワイドショーでは開会式や、メダル予想で五輪の話で持ちきり。
なんでも開会式は引退を表明していた宮崎駿さんが7年ぶりに重い腰をあげて総合プロデューサーとなって手がけたそうで、どんな形で日本の良さを世界にアピールするのかな、と今から楽しみ。
当日、その空気を生で味わえるなんて夢にも思わなかった。そんな素敵な開会式を家族みんなで一緒に楽しめるなんて。
開会式が終わったら、美味しいご飯を食べて、家族写真も撮りたいな。お父さん、笑って写れるかしら。